Darkest White
どのくらい汚物を出したのだろうか。もうお腹の中が空っぽになって、倒れるように脱力すれば、光が受け止めてくれた。
光の甘い香水の香りに包まれると、一気に心が落ち着いた。
「一人で抱え込むな。」
そう頭上から声が降り注ぐ。
「壊れるぞ。」
もうとっくのとうにわたしは壊れてるよ。
「泣けねえのか。」
その言葉がズンと心臓の奥に沈む。
「俺も、泣けねえよ。」
いつの間にか体が小刻みに震えていた。
光の骨ばった大きな手が、ゆっくりとわたしの肩あたりをさする。
「こんなに震えてんのにな…。」
どうしてだろう。その声が少しだけ優しく聞こえたのは。
思わず顔を上げれば、目尻を細めてわたしを見下ろす彼の顔が見えた。
「俺、お前みたいな奴に弱えんだよ。」
「っ…ぇ?」
「んでもねえ。ベッドいけるか?」
こんなに汚いものを見せてしまったのに…っ、どうしてそんなに優しい言葉をかけてくれるの?
「ごめんっ…ね、汚いのにっ、」
「んなのはどうでもいいんだよ。」
光に支えられながら廊下を歩く。たまにふらつけば、光が腕を腰に回してくれた。