Darkest White
光がふざけられるなんて、前のわたしだったらきっと想像できなかった。
人は変わる。
人は………
変わる。
「おい。」
「っえ?」
顔を上げれば、甘い香水の匂いが鼻先をかすめた。
ドク、ドク、ドク。
今にも鼻と鼻の先がふれあいそうなくらい近い。
光の綺麗な瞳に映る自分は、間抜けズラで、濁った顔をしている。
光といると、劣等感ばかり感じてしまう。それが、悔しい。
「お前さ、。。」
「あ、青だよ!」
わたしはとっさに顔を背ける。
「あ。」
光が前を向いたことによって、ドッと疲労感に覆われた。
な、なに今の…
光は前を向きながら、掠れた声を出した。
「俺…、
人の悩みを聞くのは、嫌いじゃねえ。」
「っ…。」
車の外の景色は、蛍光色で染まる夜の世界。かつてわたしが生きていた、暗くて残酷で、それでいてどこか安心する、女子高生がいてはいけない場所。
ねえ…今の、どういう意味でいったの…光…。
「……。」
「…。。。」
でも、ただ一つ分かるのは、光にだけは知られたくないっていうこと。わたしの汚い顔を見て欲しくないから。
「コンビニ、寄るか?」