Darkest White
ふと窓の外を見やれば、見覚えのある景色が近づいてきて、思わず光を振り返った。
静かな瞳はなにも語ってくれない。
「なに食いてえ?」
そうたずねる光に、答えることもできないまま、わたしはただ言葉を失っていた。
「降りろ。」
光はそんなわたしに何を言うでもなく、コンビニに足を踏み入れた。
タンタンタンタンタンターン♪
タンタンタンタタン♪
耳底に住み着いていたメロディーに、店内の湿度に、全身がすごく疲れた。
まるで心の奥で封印していた不協和音が、引き出されて、全身で奏でられているような…そんな、不快で、気持ち悪い気持ちだった。
無表情でイチゴミルクを二つ買う光は、きっと全てを知っている。
知っていて、知らないふりをする。
そういう人なんだ、きっと。
コンビニの外に出れば、冷たい外気が朴を殴った。コンビニから流れる白い光で浮かび上がる光の長い影の先に立つわたしは、とても小さく感じられた。
靴が地面を擦るこの音も、いつかのデジャブみたいで……
わたしはまた、拾われた時と同じように…捨てられるんじゃないのかって…
また、光も結局はそういう人だったんだって…どうしてかすごく不安になって…っ