Darkest White


「っ、誰も…っ、誰も…っ」



喉の奥から絞り出す声を、光は静かに待って聞いてくれている。


雨が額を流れて、お腹のあたりの布地を染みさせる。



もう、見られたって構わなかった。



「わたしをっ…襲ったりなんかしないよ…」


「っ、は?」


光が肩に置く手に力を入れるのがわかった。


「んにいってんだよお前。」

「見えないの…っ?」

「なにが、」

「っほら!」


わたしは恥を捨ててタンクトップを脱ぎ捨てた。


身体中に浮き上がる青紫色のあざや切り傷、やけど。


中でもひときわ目立つのが腹の傷。


「光がさっ…わたしを拾った日だって…みんな、逃げちゃったんだっ…わたし見て。」


一度流れた涙は止まることを知らない。



「っ…光もさっ、おなー」



『同じでしょ』



その言葉は途切れた。

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