Darkest White
「っ、光のパスタ美味しいね!」
少し前の自分が今重なった。気まずくなったり、自分に都合が悪くなったら笑顔で紛らわす。それで自分を守ってた。
「…ああ。」
そっけない光の態度にも、もう慣れた。
「どうやって作ったの?」
「あ?適当。」
「適当って、バカだなあ。」
「ああ’?」
くくって笑えば、光のキラースマイルで撃沈する。
「もう一度言ってみろ。殺すぞお前。」
はい。もう二度と言いません。
「言いませんよーだ。」
やっぱり、これが一番。深入りしないで、自然と会話する。きっとこれが、今のわたしの幸せなんだ。
くだらない言い合いがひと段落ついた頃、光が、思い出した、という表情で顔を上げる。
「お前明日から学校な。」
「あ、明日!?!?」
幾ら何でも急すぎません???
「バイトが、」
「あ’?」
「なんでもないです…。」
しゅんと縮こまるわたし。
でもそれって…生活費も、全部光が払ってくれるってことだよね…?
感謝してもしきれない。
「光…大好き!」
満面の笑みで身を乗り出せば、一瞬固まる光。
「っ、んだよ気持ち悪い。」
「気持ち悪いとは失礼な!大好きだから言ってあげただけだし!」
「だからっ、お前なあ…。」
光は呆れたような表情をする。
もう二度と言ってあげないんだから。