Darkest White
「そういうの、他の男にすんなよバカが。」
「バカバカうるさいなあー。」
「明日学校行っても、男とは一切会話すんな。」
「なんでよ。」
「バカは一生わかんなくていい。」
「はあ?」
わたしが理不尽な光の命令にふてくされていれば、いきなりワシャワシャっと頭を撫でられた。
「やめ、っ…!?」
「お前は俺のもんだから、誰にもやらねえ。」
っ………!!
なに、それ…
「ど…ういう…」
「明日早えんだ。寝ろ。」
「え…ちょ、」
ひょいっと光に抱き上げられ、わたしはジタバタと手足を動かす。なんですかこれ!!すごく恥ずかしいんですけど!!!!
仮にも今制服でスカート!!頭おかしくないですか???!!!
「やめろーーー!」
「うっせえ。黙れ幼児体型、」
「ああああーー!!言ったなあ!」
光の頭をぽかぽかと叩けば、不意に頭下に回っていた手がわたしの頬をすっとなぞり、ぐっと光の顔が近づいてきて、わたしの脳は思考停止した。
光の唇を見て、あの時の柔らかい温もりを思い出す。きっと、プシューっと湯気でも出そうなくらいわたしの顔は真っ赤だ。
だって、だって……。
わたしの初恋の相手だもん…っ。
鼻先が触れる距離まで近づいてきた光の吐息が感じられる。
ドキ、ドキ、ドキ…
光に届きそうなほど騒がしい心臓の音。
吸い込まれそうなほど綺麗な光の切りながの瞳が、わたしを離してくれない。
目を反らせない…っ
っ、距離がゼロになるっ!!
わたしは思わずギュッと目をつむった。