Darkest White
長いようであっという間に終わった1日目。
「凛ちゃん、また明日ね!」
「バイバイ!」
新しくできた友達に手を振り返す。なんだか頰の筋肉痛いな…そう思いながら、ふと目線を落とせば、隣の席で気持ちよさそうに寝ている藤堂恵(とうどうめぐみ)。
これは起こした方が良いのか…さては仕返しでこのまま帰るか。
一か八かでスクールバッグを藤堂恵の肩にドサッと置いてみる。
「ん’ー…」
いやあな音を出してむっくり起き上がる彼女。せっかくのストレートで綺麗な金髪が寝癖でボサボサだ。
そしてあくびをしながら私を見れば、明らかに眉間にしわを寄せる。
「はあー…あんた。なにしてんの。」
「なにって…起こしてあげたんでしょ。」
「頼んでねーし。」
地団駄を踏みたい。なんなんだこのめんどくさい生き物は。
深い藍色の瞳がわたしをとらえて離さない。
「あんた泣かないのね。」
「は?」
「私がこんなに言っても泣かないんだあー。」
なんでなく必要があるんだろう。
「で?」
わたしは眉を上げる。
わたし…光と出会ってから…感情を封印するの苦手になったみたい。
前見たいに笑顔を貼り付けて笑っていられなくなった。