Darkest White
せっかくのデートなのに、先程の事が気がかりでそれどころじゃなかった。
WONDER……?
暴走族…にしては、明るい名前。
ヤ○ザ……でもないだろうし。
はたまたその逆でアイドルのグループ?
でもだったらどうしてあんなに秘密めいた喋り方だったのだろう。
「帰りましょうか。」
「そうね。」
あ……
気づいたら、立ち上がってた。
「どうした?」
「えっと、トイレ。」
それだけ言って、慌てて二人組の女性の後を追って店を出る。
「あ、の!」
二人が立ち止まって、困惑したようにわたしのことを見ている。
「いや…その、怪しい者じゃないのですが…先程、WONDERって…。」
すると一人がサッと顔色を変える。どこか…恐れているような表情で。
「いえっ、あの、すいません!」
彼女が頭を下げた。
すいません…?
「別に悪気があって言ったんじゃないんです…妹さんにもご迷惑をかけてしまって…。」
妹さん…って、わたし?
腑に落ちない気持ちで、その人を見つめる。
「たまたま主人がその仕事に関係していて…つい…。ごめんなさい。世間に聞かれたらその意味がなくなるのに…。」
その…意味?
仕事…???
でも光は…高校生で………サラリーマン………
「二度と口にしないので、見逃してください!」
二人して頭を下げている。
光って…………ナニモノ…?