Darkest White

「いや、あの頭をあげてください…ただ、WONDERについて、」


「何してる。」



その時背後で低い声が聞こえ、肩を震わせた。



…見つかった。



ゆっくりと振り向けば、冷めた表情をした光がいた。



二人の女性がもっと頭をさげる。



「あの、すいませー」


「もういい。帰れ。」


光の地を這うような低い声で二人が走り去ってゆく。


顔を上げられない。


自分の知らないところで探られていた光は今どんな気持ちなんだろう。


罪悪感でいっぱいで、どうしたらいいのかわからない。


『本当に殺されちゃうかもよ』


いつの日かの岬の言葉が、今になって胸に刺さる。


二人の女性の真っ白な顔。


二度目にあった時の銃撃事件。


ピリピリとした空気に言い訳をするようにわたしの口は動く。


「光っ、ごめん…あの、別に探ろうとしていたわけじゃなくて、その」


「喋るな。」


光の棘のような言葉でわたしの言葉は泡になって消える。


「忘れろ。」



『忘れろ』



いつの日かも言われた言葉。


「ごめん、本当に、ごめんなー」


その時、わたし達二人の間に風が通り過ぎたかのような、突如響いた鈴みたいに綺麗な声。



「天馬?」

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