Darkest White
小刻みに震える体を抑えながら、ハアハアと息をする。
彼の姿はまるで血に飢えたオオカミのようだった。
世間からの嫌われ者で、
ひどく恐れられている存在。
いつも孤独で、
分かち合おうとしてくれる者のいない、寂しい人生を歩む。
そんなオオカミの溺れそうなほど辛い苦しみを、また同じく、人に怖がられる方法で表しているみたいだと思った。
やめろ、は、気づいてよ。
黙れ、は、もっと優しい言葉をかけてよ。
わたしには、そう聞こえたんだ。
だって……わたしに重ね合わせてしまったから。
光はあの人とは違う。全然違うんだ…!
「光っ……!」
わたしは発狂して何も映さない光の瞳を睨みつけながら………
力一杯抱きしめてやった。
バカみたいに大きくて、汗だくで、震えるほど愛おしいその体を強く抱きしめてやった。
腕を振り上げようとした光にぎゅっと目を瞑る。
だけど、衝撃はこない。
静寂がこの家を包み込んだ。