Darkest White

現代文の授業へ突入して、初めて見る漢字や文法に苦戦していると、隣に座っていた恵がふとわたしのノートを覗き込んだ。


「あんたさ、中卒だったよね?」


「え、ああ、うん。」


どうして今更そんなこと…


「案外頭良いんじゃね?」


「へ?」


わたしが?


頭良い?


「数学も物理も…中学校の基礎問題で解けるようなものじゃないのに、吸収力すげえし。…そこだけは褒める。」


初めての恵からの褒め言葉にテンションが上がるわたし。


「本当に?わたしが??頭良い?ふふーん。」


「あ、別にあんたが好きとか言ってないからね?」





「はい、すいません。」



やっぱり恵は塩でした。


< 224 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop