Darkest White
……--ーー

ふっと何かを感じてわたしは寝返りを打った。


玄関が開く音だ。


うとうとしながらもわたしはむっくりと起き上がって、

いつものようにシーツを整えベッドカバーをきちんとかぶせると、

一階のリビングへ大欠伸をしながら降りてゆく。


「おかえりお母さん。」


仕事着のお母さんは、髪をかきあげながらビールを開けている。


「ん、ただいま。」


お母さんはチラリとわたしの方を見て口角を上げる。

時計を見れば朝の2時半。

高級感漂うソファに腰を下ろすお母さんはとても綺麗だ。

艶のかかった小枝色の髪は肩のあたりでゆるくカールしていて、

赤い唇は大人の女性を醸し出す。


わたしはそんなお母さんが自慢だ。

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