Darkest White
いつものようにレジの前。
いつものように瞼が重い。
こっくりこっくりと頭がうなだれ始める。
朝焼けの光が差し込むコンビニの中は少しだけ生ぬるい暖房が入っている。
ちょうど良い湿度は、まるで喉を保湿してくれているみたいだ。
眠るのにこの上なく最高な場所である。
タラララタタ、タララララタ♫
4時10分。
うぉーんと殴りかかってきた眠気を吹き飛ばすように直立して、本日お仕事最初の一声。
「いらっしゃいまっー」
プツリと消えたわたしの声。
声が途切れたのは気まぐれでもなんでもない。
貫くように香るのは、バラのように甘い香水の香り。