Darkest White
*
「適当に座ってて。」
そう言って台所へ行く鈴葉さんを片端に、私はどこに座ろうかと辺りを見回す。
光と関係がある鈴葉さんもまた変わった家に住んでいるのではないかと身構えていたが、ごく普通の2LDKのアパートの一室に住んでいて拍子抜けした。
綺麗に整った家で、アロマキャンドルの匂いがかすかに残っている。
私は壁際にある白いソファにちょこんと腰掛けた。
「はい、どうぞ。」
可愛らしいカップに注がれたハーブティーを見て、自分と彼女の女子力の差に少しだけ落胆する。
私もこんなに可愛らしければ…少しは光の私を見る目も変わるのかな…なんて。
「お気に召さなかったかしら。」
「あっ、いえいえ!美味しいです。」
私は慌てて首を横に振った。
「そう、よかったわ。」
そう言って上品に微笑むと、鈴葉さんは私の向かい側の椅子に腰掛けた。
「家に女の子を呼ぶなんて久しぶりだわ。私自身仕事が忙しくてあまり家には帰らないの。何もなくてごめんなさいね。」
「とんでもないです。十分です。」
鈴葉さんは小さく笑うと、近くの棚の写真たてを指差した。
「ほら、あの子。見覚えない?」
私は立ち上がってその写真を覗き込んだ。
「あっ…。」
今よりもずっと幼いけれど、面影はちっとも変わっていない。
「適当に座ってて。」
そう言って台所へ行く鈴葉さんを片端に、私はどこに座ろうかと辺りを見回す。
光と関係がある鈴葉さんもまた変わった家に住んでいるのではないかと身構えていたが、ごく普通の2LDKのアパートの一室に住んでいて拍子抜けした。
綺麗に整った家で、アロマキャンドルの匂いがかすかに残っている。
私は壁際にある白いソファにちょこんと腰掛けた。
「はい、どうぞ。」
可愛らしいカップに注がれたハーブティーを見て、自分と彼女の女子力の差に少しだけ落胆する。
私もこんなに可愛らしければ…少しは光の私を見る目も変わるのかな…なんて。
「お気に召さなかったかしら。」
「あっ、いえいえ!美味しいです。」
私は慌てて首を横に振った。
「そう、よかったわ。」
そう言って上品に微笑むと、鈴葉さんは私の向かい側の椅子に腰掛けた。
「家に女の子を呼ぶなんて久しぶりだわ。私自身仕事が忙しくてあまり家には帰らないの。何もなくてごめんなさいね。」
「とんでもないです。十分です。」
鈴葉さんは小さく笑うと、近くの棚の写真たてを指差した。
「ほら、あの子。見覚えない?」
私は立ち上がってその写真を覗き込んだ。
「あっ…。」
今よりもずっと幼いけれど、面影はちっとも変わっていない。