Darkest White

階段を降りながら、だんだんと今自分が置かれている状況を思い出し始めるわたしは完全にバカだ。


「これ…逃げたら捕まるじゃん。」


ばーかばーかばーか。自分バカ。


人いないなんておかしいじゃん。


どこからともなく現れて、逃げた罪として殺されたら…やばい。


もう本当にやばい。もしかして刺客が放たれてるかも?!ていうか、監視カメラ普通にあるんじゃないこんな金持ちそうな家だったら?!


今更ながら冷や汗をかき始める。中島さんの死んだ魚みたいな目。


あの人はきっと本気だ。殺すんでも誘拐でも、本気だ。


だけどもう戻れない。となったら、


「進むしかないじゃんか…。」


もっと考えられなかったかな。次中島さんが来た時(来るのかさえ知らないけど)甘えて好きになってもらって逃がしてもらうとかさ、もっと脳みそ使えなかったかな。


力じゃ勝てないのはもうわかりきってるんだから。


「あっ。」


一階に到着。そしてなんと、3メートルほど前に、


「玄関!」

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