Darkest White

そんな守ってるみたいな言い方されても困りますけど…

「…わ、たしを誘拐したじゃん…か。」

自分で自分が誘拐されたと誘拐した本人に言い張るのは人生初だ。

「あ?」

devilはいよいよお怒りのようだ。

「だ、だって!銃撃戦目撃しちゃったから警察に通報しないようにさらったんですよね?」

「誰がお前なんか誘拐するかよ。」

「へっ?」

今度こそ素っ頓狂な声を上げる。

「自意識過剰?」

やばい…怒りが爆発しそうだ。目を閉じて大きく深呼吸をする。

ほら、もう大丈夫。

devilは怒りをあらわに貧乏ゆすりを始める。

「じゃ、じゃあ…」

『一体全体わたしはここで何してるわけ!!?』

なんて言えるわけもなく、

「わたしどうしてここに…?」

と尋ねる。

「礼。」

「はい?」

「助けられた身の程を知れ。」

何を言ってんだこのdevilは。バカか?バカなんじゃないのか?

「あそこにお前がいたら確実に死んでただろうが。」

devilは何がおかしいのか、ふっとバカにするように口角を上げた。

「何?お前、俺より強えのか?」

「だ、だって中島さんが!」

「中島?ああ。あいつ、からかうの好きだから。」

え…じゃあ今の今まで自分が誘拐されたと思っていたのは嘘で、本当は命を助けられてたってこと????なにそれ!!!

わたしって、失礼極まりないやつじゃん!!!
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