Darkest White

コツ、コツ…

そしてその人はきっと…



















「はい、いちごミルク一点。」

彼は週に四、五回早朝にコンビニに来ていちごミルクを買っていく。

イカツイ外見に似合わないそのオーダーはいつも可愛いと思ってしまう。


顔を上げれば彼の夜色に黒光りする、底なしの瞳に吸い込まれる。


その真っ直ぐで嘘をつかない瞳がわたしは好きだ。


一度見つめると捉えられたように目が離せなくなる。


切り長の奥二重の瞳はどこまでも深く、鋭い。


しばらくじっと見つめていると、

その人はすっと瞳をそらして100円玉を二枚置くと、
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