Darkest White
The arrival of Saturday morning
金曜日の夜は、一週間のうちで優一ぐっすりと眠れる日だ。
わたしは長い睡眠のおかげですっかり回復した体をうーんと伸ばしながら、太陽が昇っている空を見上げた。
窓から差し込む光は、とっくのとうに朝を終えた、お昼の黄金いろの日光だ。
「起きなきゃな…」
特に昨日はバイトをスルー(強制的に)して、夕方から眠ってしまったため、あまりに寝すぎて逆に体がだるい。
ぼんやりとカレンダーを見つめながら、無意識にシーツを整え布団をかぶせる。
そして大あくびをしながら朝食(もはや昼食)を食べにキッチンへと降りてゆく。
「なに食べよ…」
冷蔵庫の奥に冷凍食パンを見つけると、それを一枚取り出してトースターに入れる。
「眠い…」
寝ても寝ても足らないわたしの体は、常にだるさを伴っている。
「いただきます…」
必死に瞼を開けながら、行儀の悪い立ち食いをするわたし。
お皿洗いをなるべく避け、さらにテーブルを汚したくないわたしは立ち食いすることが多い。
眠気を吹き飛ばすように顔を洗うと、二階の自室へ急ぎ、よそ行きの白いレースのワンピースを着る。
サイズが大きすぎて引きずっているそれは、お母さんが買ってくれたお出かけ用の服。
週に一度、土曜日に必ず着るおしゃれ服だ。
そしてワンピースの腰のあたりを引っ張ると、慣れた手つきでその丈が膝の位置までくるまで引っ張り上げ、安全ピンで数カ所を止める。
そのあといつものように物置から掃除機と雑巾を取り出して、家の中を隅々までピカピカに磨く。
掃除が終わった頃には、もう太陽は下がり始め、時計は2時を指していた。
洗面所に駆け込んで、肩までの、毛先がくるんとしている髪を梳かし、前髪のない髪を横分けにして一部を編み込む。
そして軽くリップをつけると、わたしはもう一度容姿を確認してからリビングへ降りる。