Darkest White
気怠さを含む体をそっと横にする。
月曜日は嫌いなわけじゃない。
ああ、今日もきっとお母さんは帰ってくるのは遅いのだろう。
そんなことをめぐらしながら、わたしは静かに浅い眠りに吸い込まれていった。。
……ーーー…ーー
カラオケ店はいつもうるさい。
怒鳴りながら歌い続ける酔ったサラリーマンに呆れながら、わたしはドリンクバーの飲み物を入れ替える。
隣の個室では柄の悪そうなヤンキーの集団がわいわい楽しんでいる。
「月曜日はいっつも憂鬱そうな顔してんなあお前。」
そう声をかけてくるのは店長のおっちゃん。
染めたばかりの金髪の髪はあまりおっちゃんには似合わない。
もっとヤンキー化してきているような気がする。
「なんか疲れちゃうんですよ、週末って。」
わたしはそう言って苦笑する。
「凛は働きすぎなんだな。」
「そうですかねえ。」
わたしはふっと笑う。
「おっちゃんも休んだらどうですか?いっつも夜遅いじゃないですか。」
「うーん、俺は夜の男だからな。寝てらんねえよ。」
そう言ってガハハと笑うおっちゃんに癒されながらまた仕事に戻る。
確かに、月曜日のわたしはちょっと普段と比べて暗いかもしれない。
「お疲れ様で〜す。」
おっちゃんに手を振って店を出る。
日に日に落書きが増えるこの路地裏の通りは、悪い連中がたむろするのにもってこいの場所だ。
わたしははあっとため息をつく。白く吐き出された息は、まるで息絶えている野良犬の最後の呼吸のようにか弱い。
わたしは昨日の男のあざ笑っているかのような態度を思い浮かべた。
どんなに人を傷つけようが構わない。彼のそのような平然とした態度は、どこか非人間的だった。
わたしにも、彼みたいに、自分のしたいことをしたいと主張し、言いたいことを言える勇気があれば…。
何か変わっていたのだろうか。
自分が自分に生まれてきたことが腹立たしい。
自分が憎いくらい嫌いで、呪い殺してしまいたい。