Darkest White
ガンガンとうるさい耳鳴りを感じながら、わたしは背中の位置を少しずらす。
激痛が少しだけ和らいだような気がした。
「銃撃戦巻き込んだ時のことを仇で返しはしねえ。その時の詫びだ。」
濡れタオルでそっとわたしの首を拭うdevilの声を聞きながら、わたしはこの人のことがますますわからなくなった。
この上なく最低なやつかと思えば優しいし。
コンビニでの親切な声がけがあったと思ったら公園で何十人もの男を全て倒したし。
わからない。わからないけれど、わかりたいって思った。
こんなの、始めて、かもしれない。
「お前学校は。」
こんな人に学校のことを聞かれるとは思わなくて、正直驚いた。
痛みを押し殺しながら言葉を紡ぐ、
「今日、は…行っ、て、な…い。」
「…そうか。」
それしか返ってこない。どうして行っていないのか理由さえも聞かれない。
それがどこか他人の壁を感じて寂しかった。
だけどきっと聞かれても答えれない。矛盾した思いが交差する。
「来週お前の担任に話つけてやっから。」
「…へ?」
「無断欠席になっただろ。」
「……。」
「そこらへんは心配すんな。」
「で…も、自分で…言う、だいじょ、ぶ。」
「…そうか。悪い。」