Darkest White
「とりあえず風邪薬を毎日三回飲むこと、背中の包帯を変えること、後頭部に縫った場所を動かさないこと、痛み止めは必ずとること。」
先生の話をどこか上の空で聞きながら、適当に頷いておく。
「ちゃんとわかってるよね?」
「え、あ、はい」
慌てて微笑みを取り繕う、
「ありがとうございました」
「うん…わかってるといいけど」
ぶつぶつとつぶやきながら先生がもう一度振り返る、「最低でも今週はずっと安静にしてないと危ないよ」
無理ですけどね。
バイトありますし。
だけどまた曖昧に頷いておく。
「わかった?」
「はい」
申し訳ないけど無理です。
そう心の中で謝罪しながら先生を頭を軽く下げて見送る。
あー…疲れた。
ベッドにまた鉛のように重い体を預ける。
白い天井を見つめながら、これからのことを考える。
うう、借りができちゃった。
こんな金額払えないし…どうしよう。
とてつもない不安が心を曇らせる。
家…帰らないと。
お母さんが心配しちゃう…