Darkest White

声が出ない。

偉大すぎて…自分とは全然違った世界をその瞳に映しているから…

痛いほど羨ましい。悔しい。

人のために何かができるほど、自分には余裕がない。


人生に余裕を持っているように見えるdevilは、今だけ…今だけ…




天使に見えた。




「angel…。」


「あ?」


「…名前を、教えてください。」


視線をあげれば、異様なほど整ったdevilの顔が見える。

神々しいほど美しいそれは、どこか、不気味でもあった。


「俺に名なんてない。」


「え…?」


「名なんて、必要がないだろう。」


「……。」


「お前は名があるか。」


「…凛。」


「名はなくても、人は光れる。そう思わないか?」



この人はすごい。


それしか言葉は出てこない。


ただ、すごい。



「じゃあ…何て呼べば…」


「俺に名をつけてくれるか?」


「………。」


「お前に映る俺は、どんな俺だ?」


devil。



いや、違う。



わたしに見えるあなたは…


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