Darkest White
「にしてもお前…そうしてればいいのに。普段から。」
笑っていた顔から、スッと笑顔を消して、彼の顔はどこか苦虫を噛みしめているような…怒ったような…いや。冷静に怒りを露わにしているような、そんな複雑な表情をしていた。
「他のやつらと変わんねえかと思ってたけど、ちげえんだな。だったら変われ。」
…は?
「いい加減胡散臭いの飽きたんだよ。」
………は?
「今みたいにしてろよ。演じてる奴が嫌いだ。」
光の瞳は、本当に嫌悪の色を灯していた。
「壊れるぞ。」
…え。
「そうやって無理してたら、いつか、限界がくる。」
…っ…そんなの…っ
「そして粉々になって消えるんだ。」
…っわかってるよっ!
「お前は疲れねーのか。」
ギシッ。
ベッドが軋む。
光がわたしの手をすっと掴んだ。
全身がこわばり、震える。
だめだ…だめだ…1、2、3…落ち着け…
「嘘なんて、いつかバレる。」
その言葉が、一番痛かった。
「仮にも今、この手を触っただけで俺はわかる。お前は怖いんだ。男が。人が。自分が。」
畳み掛けるように降り落ちてくる言葉は、ガラスの破片みたいに心に突き刺さっていく。
どうして赤の他人にこんなことを言われないといけないの…?
わたしの何がわかるのっ……!
でも、まるでソーダに蓋をされたみたいに、行き場のない泡がぶくぶくと体の中で音を立てるだけなんだ。