Darkest White
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ちゃんと挨拶もできなかった。

せっかく距離が少し縮まったかと思ったのに。

あっけなく、壁がそびえ立ったんだ。






『嘘は、いつかバレる。』





そんなの、知ってるよ。




だけどわたしは自分に嘘をついて生きてきた。

だから、今更それを変えることなんてできないんだ。





青リンゴの香りのするベッドに体を沈める。





いつもだったら落ち着くその甘い香りが、



今ではただ不安を駆り立てていくばかりだった。

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