Darkest White
そんな光だからきっと、これを入れたんだ。
わたしのことをはなんとも思っていない。
ただ、責任逃れだ。
携帯の連絡先には、『オレ』、と、おれおれ詐欺みたいな風に書かれている。
そのしたに、『あいつ』と、登録されている。
どうしてこれを見ているの?
どうしてこんなにきになるの?
時刻は6時4分。
いつの間にか、通話ボタンを押していた。
3コールでもかからない。
諦めようとしたその時、
「………はい。」
低い、心地よい声が耳に届いた。
その瞬間、とてつもないほどの安心感に包まれた。
「…おい。」
イライラを含んだ声が聞こえる。
あー、なんでこんなに嬉しいんだろう。
「なんか言え。」
言葉が出てこない。
「……えっと……。」
続かない。
何も言うことなんてないから。
ただ、聞きたかった。それじゃあ、ダメかな…?
十秒、二十秒…と、沈黙が続く。
なのに、光は通話を切らない。
ねえ…どうして…?
ーねえ…どうして、今日、わたしが初めて聞いた声が、あなたなの…?