Darkest White

ーー---…


お腹が痛い。


気持ちが悪い。



震える腕を押さえつけるように鞄によそゆきのワンピースを入れる。

そして、がらんとしたクローゼットの奥のダンボールの中から、アルバムを取り出して、その中に詰める。



ふと、手を止めて、立ち上がる。


突き当たりにある寝室。



わたしは無意識に青リンゴの香りのするまくらを抱きかかえていた。



そしてほとんど何も入っていないボロボロの鞄を肩にかけ、吐き気のする腹部を抑えながらよろよろと立ち上がる。



頭が痛い。



ほこりひとつない階段を降りる。

誰もいないリビングを横切る。

ピカピカに現れたお皿が立てかけてある台所を通り過ぎる。


玄関に立ち、ドアを開ければ、冷たい空気が頬を撫でる。


ズボンのポケットに入っている白い携帯を引っ張り出す。





泣けないよ。

苦しいよ。








ープルルル、プルルル



「………ああ。」

「っ………。」

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