忘れられない季節でもう一度


男の子なんて言ったらきっとこの人は綺麗な顔を歪めて嫌な顔をするのだろうけど16年も一緒にいたら昔からの印象はなかなか拭いきれない。



この男も同じように考えてるのかはわからないけど、私にとってはどんなに大きくなろうが関係が変わろうがあの小さかった頃と同じ気持ちのまま一緒にいる。



12月上旬の寒さは私的には心地よく一駅分の通学路をこの時期は徒歩で通っている



暑いのが苦手で小さい頃熱中症と貧血で何度か倒れた私を心配した両親は夏の間はなにがなんでも車で私ことを送迎させた



幼稚舎からずっと通っていて、車での送迎が自由な学校だったので別に目立つこともなく毎日送ってもらっても良いのだがこの時期だけは両親にお願いして徒歩で通わせてもらっている。

まぁ、隣のこの男も必ずセットという条件付きだけど。

ふと視線を、私たちの繋がれた手に落とす。


細身だけどしっかりとした骨格の大きな手、着痩せするタイプだから脱いだら別に華奢なわけでもなく以外とたくましいことも知っている。
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