忘れられない季節でもう一度
いつも思うがあきはどこもかしこも信じられないぐらい綺麗にできている



触れた肌は陶器のように滑らかで本当にいつまでも触っていたい。赤ちゃんのほっぺってこんな感じの手触りだったかしら、なんて思いながら何度か撫でる


あきは私にされるがままで目すら閉じている

この男は私がしたことでなにか一度でも拒んだことがあっただろうか

強い拒絶でなくても軽く咎めることすら今までなかったかもしれない。

そう気づいたらなんだか試したくなって今まで優しく触れていただけのあきの頬を軽くつねってみた

さすがにこれには、どうしたのかというように閉じていた目を開いた


でも私をいつものように見つめるだけで何も言ってこないしつねっている手を退かさせようともしてこないので

「あき、痛く無いの?」

わたしからを質問をしてみる。


「痛くは無いけど不思議な状況だな、とは思うよ」


そう言われたら確かに道の真ん中で何をしているんだろうと思いあきの頬から手をはなした
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