忘れられない季節でもう一度


「もういいの?」

残念、とでもいうように下ろした私の手を握ってくる


「私がしたことであきが嫌がったところって見たことないなと思って」


そう私が言ったら少し驚いたような顔をして形のいい顎に手を当て、少し考え込むような仕草をしてから


「かよからされて嫌なことなんて何1つないよ、」


そう、さも当たり前かのようににっこりと答えるこの男をみてバカな質問をしたものだと思った。


聞かなくてもわかっていたはずなのに。きっとこの男は死の刃物でさえも私から与えられるのなら抗うことなく受け入れるだろう。



何が彼をそうさせるのかはわからないがこの男は昔からそうだ。


私を絶対的な、なにかのように仕立て上げ女王様のように扱う。

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