お稲荷様のお呼びです! クリスマス超短編
「ん?」
しんしんと降りやまない雪の中、懐かしい花に似たものを見つけたわしは、ひんやりと冷たい廊下で足を止めた。
窓越しにその花を見つめるものの、ただの見間違いだと思いその場を離れる。
こんな人間界で咲く花ではないか……
今日という一日しか、その身を美しく着飾ることのできない花。
めでたい日にその花が咲けば、幸福が持たされると言われていたのを思い出す。
確かあの花の花言葉は……