男装女子。FIRST SEASON
それからその日はずっと付きまとわれた。
麗華「羽咲様…!良かったら一緒にお菓子を…」
『……あ、うん。もらいます…。』
麗華「羽咲様!一緒に遊びましょう!」
『あ、あはは、うん…。』
麗華「羽咲様!羽咲様!」
『………。』
玲央「…何か疲れ果ててんぞ。」
百「だ、大丈夫?」
『…女の子は可愛いから好きだけど…ちょっと…。』
結「麗華さん、何で来たんですか?」
麗華「風の噂ですわ!」
零「麗華には不思議な風が吹いてるんだね。」
『…麗華さん、強い人が好きって…ここの人達も充分強いと思うんですが…。』
麗華「零はともかく、他の方々は論外ですわ。ワタクシより強いお方でないと。」
『……てことは…え、もう対戦済み?』
「「「「「「「「……。」」」」」」」」
…((察し
しかも零はともかくだって…みんな零には甘いんだね。人のこと言えないけどさ?
麗華「ワタクシに勝てたのは…隼様、出雲さん、壮吾、蓮の4人。…出雲さんは元々圏外ですわ。壮吾と蓮は…兄のような存在ですわ。」
『ああ、それはわかります。で、父は隼で母は悠太。』
玲央「それ正解なやつな。」
隼「オイ。」
悠太「…慣れって言うのもダメなんだよね、本当は…。」
結「みんなが思ってますよ、悠太さん。我らのお母さんです。」
『うん、凄い思ってる。』
悠太「…お母さん…。」
麗華「隼様は羽咲様に会うまでは一番お強い方だと…隼様と出雲さんだけが何かが違かったのですわ。もちろん、一般人よりは皆様貫禄がありましてよ?」
光「オーラ…?」
麗華「…ですが、羽咲様。貴女には何も感じませんの。普通、人間には何かをやり込むと独自の貫禄が出るはずですのよ?…でも、貴女様には一切、見えませんでした。」
夜「へぇ。」
麗華「…羽咲様の色は無色透明…。…いえ、恐らく今までずっと隠していたのだと思いますわ。だって、貴女様と交じりあえている時は見えたのですから。」
『……。』
麗華「…独特の雰囲気を持ちながら羽のように軽やかに舞うように闘う姿に惹かれましたの。…でも普段は爪を隠すように誰にもわからないように潜ませて、いざとなるときには鋭く爪立てる…まるで暗殺者のように…。」
百「…暗殺者…?」
麗華「…無色透明な人が一番強いと、ワタクシは思いましたの。だからワタクシは羽咲様をお慕い申しておりますのよ♪」
…恐るべき観察力というか、なんというか。
…はは、凄い女の子がいたもんだな。