男装女子。FIRST SEASON
コンコンコン
『「「「「……。」」」」』
コンコンコンコンコンコンコンコン!!!!!!!!
『ん……?』
壮吾「………ん…?どうかした…?」
カチャ
麗華「うーさーきーさーまっ!!!…ッパジャマ姿がとても麗しいですわ…!」
『うおっ…!』
隼「…何だ…?」
出雲「朝から騒がしいよ…僕の睡眠を…ファァ…妨害する輩は誰だい…?」
蓮「…おぉ…おはよう…あれ、もう朝…弟達起こさないと…」
壮吾「蓮、寝ぼけないでー。」
麗華「羽咲様っ!今日は一日ワタクシとお買い物を致しましょうっ!」
『え…?』
麗華「そうと決まったらワタクシのお部屋に…!」
麗華さんに引っ張られる私…あれ、今何時だろう…。
近くにあった古時計を見てみると
『「「「「……五時…。」」」」』
朝のね。
『…なんだここ…。』
麗華「ワタクシの衣装部屋ですの♪」
『……普通に寮の部屋ぐらいあるぞ…。』
麗華「…羽咲様は…そうですね、ロングスカートなんて似合いそうですわ…!」
『…ね、ねぇ、麗華さん。』
麗華「はい?」
『その…様付けはやめて下さい。なんか距離が遠いというか…。友達なのに…。』
麗華「ッお友達ですって…!?」
『え、友達ダメ?ダメですか…!?』
麗華「…ッ」
『…えええ!?な、泣いてる…!?』
麗華「…ワタクシ、クラスメイトならいますけれど、お友達はいませんのよ。多分、ワタクシは普通じゃないから…。」
麗華さんはあの立花財閥の分家で時期当主の出雲と婚約者…ましてや雰囲気が近寄り難い印象…。
麗華「皆さんはとてもとてもワタクシには優しく接してくれますのよ?…でも、知ってますわ。誰もワタクシの事は好きじゃない。ワタクシではなく、ワタクシのお父様やお爺様に取り入って出世したいだけなのです。」
貧乏人にもお金持ちにも苦労はある。
全ての人間は平等に、苦しみや悩みをもっている。
だからこそ、それを救う人間も必要だ。
『…なら、私が最初の友達ですね!麗華さん!私が、麗華さんの第一号の友達!!』
麗華「…はい…!羽咲様…!」
『だから様はやめましょ?!羽咲でいいです羽咲で。』
麗華「そ、それでは…う、羽咲……。」
はにかみながら言う女の子。
やっぱり麗華さんも普通の女の子だ。
『はい、何でしょうか!』
麗華「あの、ワタクシのことも麗華とお呼びください。」
『いいよ、麗華。』
麗華「あ、あと、羽咲は普通に話してくださいませんか?ワタクシは普段からこの話し方ですが、羽咲は違うように思えたので。」
『…わかったよ。』
麗華「それでは羽咲。一緒にお洋服を選びましょう!」
『うん…!』