男装女子。FIRST SEASON
『二人ともなんか進展ある?』
麗華「そうですわね…二人とも真面目なのですけれど、特に会話をしている雰囲気はありませんわ。」
『ダヨネ。…お、零は結構筋があるね。』
麗華「零は天才肌ですから。基本的には何の問題もない太刀筋ですわ。…しかし…。」
『…都古ちゃーん…。』
麗華「センス無さすぎですわ。」
零は体力は専ら無いが、元々何でも真似して出来る性格なので容易く取得していく。
しかし都古は体力も無い上に不器用なのか…。
『…よし、不器用な都古ちゃんでも簡単に相手を気絶させることが出来そうな技を授けようではないか。』
麗華「頑張ってくださいませ、羽咲!!ワタクシは間近で見ますわ!!」
『アッハイ。…都古ちゃーん!!ちょっとおいでー!桜ちゃーん!都古ちゃんは私が見るよー!』
気付くとすぐに走ってくる都古ちゃんはまるで可愛らしい子犬のよう…!
『都古ちゃんは不器用なんだネ。』
都古「…うぅ…ごめんなさい…。私体育苦手で…。」
『大丈夫、都古ちゃんでも簡単に人を気絶させるような一発技教えるから。今度痴漢とか喧嘩事に巻き込まれたらそれで一撃ね。』
都古「はい…!」
『まあ本当は急所が狙い目なんだけど』
麗華「男性の股に思いっきり蹴り入れるのが一番ですわ。」
『しれっと言うけど都古ちゃんは絶対に無理だから。てかやらせたくないから!!てことで都古ちゃん。まずは見本です。都古ちゃんが敵で、私がそれを仕留める。体感した方がわかりやすいからね!』
都古「はい…!」
『んじゃあとりあえず私の手首を掴んで。』
都古「…?」
『…とは言ったものの、この技は女の子でも超痛いので、軽めに空気のように優しく倒します。えーと…こんな感じでッッ!!!』
都古「!?」
『はい、外れた。自分の手首の裏側を見えるように腕をくるっと回す。この時の軸は親指。他にも顎を頭突きでカマしたり、足の甲を思いっきり踏みつける。…こんな感じで。…あ、ピンヒールとかマジ最強だから。』
都古「そうなんですね…。」
『都古ちゃんはヒール履いたことある?』
都古「…あそこにいた時はいつも高いヒールで…いつも飾られるんです。」
『じゃあ自分の身を守るために普段からヒール履こっか。』
都古「はい…!」
『それとね、何よりも一番大切なこと。それは大きな声で叫ぶこと。そしたら人が駆けつけるはずだから。…って言っても女の子は不利。だからこれ持ってて。』
都古「…??」
麗華「何ですの…?これ…。」
『改良版!超ミニミニ警報器!!ほら、この微妙にとんがってるここを引っ張ると二秒置いて凄い音出るから。…こんな感じで。』
ポイッ
と、私が空中に向けて投げる。
ビィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!
『ね?で、消したい時はこれを拾って力一杯全力で空中に投げる。』
私がまた投げると音は消えた。
『小さいしバレにくいから便利だよ♪はい、二人とも持っててね。』