男装女子。FIRST SEASON





結局どのくらい上達したのかお披露目会。



壮吾「へえ!零凄いな!!一日でこんなに出来るなんてなぁ…!」



『基本的に護身術は誰もが簡単に出来るはずなんだよ。…出来る…はずなんだよ…!』



出雲「彼女が上手く出来ない理由はきっと心にあるよ。」



都古「心…?」



隼「まあ、初日はこんなもんだろう。今日は解散だ。」



出雲「よく、考えてみてね。」



都古「はい…。…あ、羽咲さん…。」



『ん?どした?』



都古「…私も、行きたいです。」



『……自分が何言ってるか分かってるの?』



都古「…分かってます。」



『分かってない。分かってないよ。日隈組はどんな所か知ってるでしょ。他のみんなもだけど、一番狙われている貴女だけは絶対に行かせられない。』



都古「それでも…母を…弟を…。」



『大丈夫、私がちゃんと助けるから。』



都古「でも!!!」



『ダメったらダメ!!!死ぬかもしんない所に行かせるわけないでしょ!!』



都古「ビクッ」



『っ……ごめん…。でも私と来ても貴女が足でまといになるだけ。』



都古「~~ッ行かせて…っください…!」



『!?!?』



泣き始めた。



『え、ちょ、え!?や、大きな声で怒鳴っちゃってごめん!!だけど危ないところに行かせられないから!!』



都古「行かせてくださいぃぃぃ…!!」



『ダメったらダメなのー!!』



大和「行かせてあげればいいのにね。頑固だなぁ。そこのところ凄い似てるよね、親子共々。」



『大和くん…。大和くんも知ってるでしょ、日隈組がどんな所か…。』



大和「うん、知ってるよ。」



『じゃあ止めてよ!!』



大和「…羽咲ちゃんにとって周りの人達はひ弱で小さな子供だと思ってるでしょ。」



『思ってないよ。むしろみんなは強くて、私にとってはかけがえのない大きな存在だよ…。』



大和「じゃあ行かせてあげればいいじゃない。」



『それとこれとは別。』



大和「何が?」



『…かけがえのない人達だからこそ、危ない目には合わせたくない。死んで欲しくない。』



大和「…羽咲ちゃんはみんなが死んじゃう前提で話してるね。それは何故?」



『え…。』



大和「どこにも死ぬ確証なんて無いのに、どうして死ぬなんて思うんだい?信頼してるからこそ、一緒に戦えば力になるんだよ。」



『……それでもダメなんだよ、大和くん。私は私以外の人達が傷付けられるのが嫌なんだ。それで死なれたらまた私は…。』



隼「…じゃあお前が傷付けられるのを黙って見ろって言うわけか。」



『隼…。』




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