男装女子。FIRST SEASON
出る競技が決まったその約一週間後。
『え、今日からずっと体育?何それおかしくない?』
零「前々から準備しないと怪我人出ちゃうから…だって。」
『……確かにそうかもしんないけどさ…。まだあと一ヶ月もあるよ??』
光「えー?俺はすっごく嬉しいよ!!!!」
結「ハイハイ!俺も!机のお勉強飽きましたーッ!!」
裕翔「飽きたとか以前に結はずっと突っ伏して寝てるだけだよね。」
『いつ見ても寝てたよね。秋さんに殺されかけても寝てるよね。』
結「どうしても抗えない本能が…」
裕翔「結の場合は煩悩ね。」
『…ま、確かに。勉強よりも体動かした方が楽しいよね!』
と、気楽に捉えていた。
がしかし。
「ハイ、今からトラック50周。」
裕翔「初っ端から!!?」
「ハイ、今から腹筋背筋各200回。」
零「………パタリ。」
光「っすいません!零が倒れましたーッ!」
「ハイ、その次は腕立て伏せ300回。」
結「…っ何それ…全然…全然聞いてないんだけど…!」
「ハイ、その次は階段ダッシュ往復50回。あ、ちなみに一階から四階だから。」
『え、まだやるの。さすがに死ぬでしょコレ。いくら何でも死ぬってコレ。』
「ハイ、その次は______。」
キーンコーンカーンコーン
「「「「「「「(屍)」」」」」」」
もぬけの殻になってます。クラス全員。
その一部に私も入ってる…。
『…久しぶりだ…こんな過酷な体育は訓練生だったあの頃と同じだ……。』
裕翔「……疲れた。」
光「さすがに…ね…。」
結「初めて隼さんの方が良いって思った。優しかったんだなーって……初めて…。」
零「……………。」
光「…零?…ちゃんと生きてるよね…?」
零「…明日から学校行かない。」
光「ダメだけど!?」