男装女子。FIRST SEASON
シュンッ
バシッ
『あ、あの〜…』
バシッ
シュンッ
『…あのー』
シュンッ
シュッ
バシッ
『あのおおおおおおおおおおお!!!!すみませんケドおおおおおおおおおおおお!!!!?』
隼「…何だ。」
『…俺無視なの?』
夜「…まあお前強いし。」
出雲「ね。」
『…えええ俺も混ぜろよ。せっかく殺れると思ったのに…俺の気合を返せ。』
出雲「…君は僕らよりも強いから。僕らとは違うんだよ。」
『……は?…だったら何。お前らと俺は違うって…どうやって決めたんだよ。』
出雲「…この前の夏の事件…あの時から…イヤ、もっと前から、キミと僕らは違うんだよ。」
『…何だよ、それ。違くない。同じだ。同じだよ。俺より弱いかなんて…分かんないだろ。』
出雲「……君はあの本職である彼に挑み、勝ってしまった。…それに、手加減をしていた。まだ全力じゃなかった。」
『そう…だけど…さ。』
じわり…じわりと。
脇腹の傷と腕の傷が疼く。
さっきまでは痛くなかったのに。
……何で、いきなり。
『…な…んで』
隼「……。」
『…んで…そういうこと言うんだよ。…止めろよ、違うよ。俺は…俺は…』
…違くない。
同じだ。みんなと、一緒…。
“ダレトモワカリアエナイ”
『…誰とも……分かり…合えない…?』
“ヒトリボッチノカワイソウナコドモ”
『……っ違う!可哀想じゃない!!私は…私は…ッ!!!!!』
クラッ
体が落ちる予感がした。傷と傷が広がって。
すると後ろから抱きしめるように暖かい何かに包まれた。
隼「…すまん。全部嘘だ。」
『…はぇ…?』
…嘘って…何!?!?
そこから記憶が途絶えた。