男装女子。FIRST SEASON




『してないし。』



隼「してんだろ。」



『してない。』



隼「……オイ。」



『………。』



隼「…怒ってんのか。」



『べっつにぃ?あの時三人で俺を騙したことなんて全く全然怒ってないよぉ?』



隼「…怒ってんじゃねーか。」



『…別に。』



隼「…あのな、あの時お前が棄権してればあんなことにはならなかった。」



『…棄権しろって言えばよかったじゃん。』



隼「言っても聞かなかっただろ、お前は。」



『まーね。』



隼「…だったら強制帰還させるしかないだろ。」



『だったらやり方考えてよ。…マジで傷付いた。』



隼「…ゴメンな。」



素直に謝ってくる隼は正直レア。



本当に思ってるってことは分かる…けど。



『…お前らには言ってほしく無かったよ。』



隼「…ゴメンな。ゴメン。」



『…もーいいよ。大丈夫、俺のこと心配してくれただけだもんな。』



隼「ああ。」



『…よし、寮に帰るぞー!そんで百と悠太の栄養満点の美味しい夜ご飯食べる。』



隼「そうしな。…ほら。」



『…え。』



隼「おぶってやる。」



『いらないんだけど…。』



隼「早くしろ。」



『………重いよ?』



隼「フッ…知ってる。」



その時の笑顔は優しくて珍しくて



思わず写真を撮りそうになった。






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