男装女子。FIRST SEASON





光「確かにこの女の人とウサギそっくりだ!!」



玲央「女らしさの欠片ひとつもないから気付かなかった。」



『オイコラ、どういう意味だコラ。』



夜「確かに、顔はそっくりでも色気が無い。」



『オイコラ、テメェらアンクロすんぞ。テメェらの脳内潰したろか?』



壮吾「ま、まあまあ落ち着いて。」



蓮「へ〜、じゃあこの二人が《ALICE》の。」



零「リーダーと姫…?」



光「そういうことになるかな。」



『…あのね。』



私は一呼吸置いてから言った。



『…この写真がみんなに知れ渡ったってことは…ウン、言わなきゃいけないことが出来ちゃったね。』



零「何…?」



『…あのさ、隼と出雲はなんで《牙狼》と《クラウン》に入ったの?』



隼「…は?」



『ああ、えーっと、要約するとつまりですね、何でほかの暴走族に入らなかったのかを聞いた。』



出雲「…僕らは両親のいた場所を選んだ。」



隼「それは掟だからな。総長の子供は必ずそのグループに入らなきゃいけない。」



『つまり、隼と出雲は他の族に行くっていうことを許されていない。』



隼「…ああ。」



『つまり…その…ね。』



「「「「「「「「「「……あ。」」」」」」」」」」



『お分かりになりましたでしょうか!皆さん!!』



結「…その真ん中にいる二人は《ALICE》の総長と姫…」



裕翔「てことは…つまり…」



夜「ウサギは《ALICE》の姫だったってこと?」



玲央「あ?!姫!?ウサギが!?」



『姫違う。俺守られる側じゃなくて守る側だった。』



壮吾「え、てことはリーダー!?…え、今も?!」



『今もリーダーだったらここにはいないかな!!!…昔の話だよ、昔の話。』



百「でもじゃあどうして今更…」



『そう、そこが問題なの。…アイツらは何のために俺を…』



シキ「どう考えても…恨み?」



『…あっいたの忘れてた。』



ルキ「うん、羽咲はそういう人だからね、分かってたよ、うん。……彼らは…彼らも正統派だから…ちょっと分からないね。」



レキ「ナイフ使ってってことは…やっぱ恨みか?」



『…まー…逆にそうだと願いたいかな。』



零「何で?」



『んー…アイツらには酷いことしちゃったから…かなぁ。』



零「…うさぎ?」



『…とりあえず、この件は多分俺の責任だから。ごめんな、巻き込んで。』



隼「…お前はまたそうやって…」



『…へ?』



隼「また一人で抱え込むつもりか。」



『…だって、迷惑かけたくないじゃん?大丈夫、今回は一人でも大丈夫だから。…つか俺が直接会いに行ってや』



出雲「それはダメ。」



『…それが手っ取り早いと思わないかい、出雲さんやい。』



出雲「ダメなものはダーメ。」



『…ホントマジで大丈夫だから。俺はみんなに迷惑かけたくないの!大丈夫!ルキもレキもシキもいるし!!』



ルキ「あ、僕らは使うんだ。」



『君らは適当に使ったって死にはしないでしょ。とことんこき使ってやるから。』



レキ「扱い雑か。」



シキ「まあ僕らが頼りにされてるなら頑張んないとね。…なんてったって羽咲の頼みなんだしね。」


シキは明らかに挑発した目でみんなを見る。



隼「…《ALICE》の仲間に戻りたいか?」



『!?な、何言ってるのさ君は!今更戻るわけ無いじゃん?!…だって今はみんなの仲間だもん。』



…それに、今更戻ったって…



『…ボソッ許してくれるわけでもないだろーし、ね。』







< 183 / 255 >

この作品をシェア

pagetop