男装女子。FIRST SEASON
カタカタカタカタカタ…
『やっぱ日隈組の時とは違う…か。』
何も情報が無い…に等しい。
あらゆる友人に聞いても「知らない」「誰それ」状態。
一応、裏掲示板に書いたけど…。
『ここはやっぱり…元日隈組幹部に近付くしかないかな。…つっても、幹部の彼らが生きてるかどうかは知らないけど。』
監獄行きの恐れアリ。
…一番知ってそうなルキ辺りに電話…。
ピッピッ…プル
ルキ「どうかしたの?羽咲?」
『イヤ出るの早くね。』
ワンコール未満で出やがったぞ、アイツ。
『情報提供して欲しい奴らがいるんだけど…日隈組元幹部って今生きてる?』
ルキ「え?あー、生きてるよ。一人だけだけどね。」
一人…(笑)
『その人と接触を図りたいんだけど。』
ルキ「分かった。手配しておくよ。」
『ありがとう、ルキ。…それと、さ…。』
ルキ「…どうしたの?」
『…日隈組を潰したとき、妙な人に会ったの。』
ルキ「妙な人?」
『…一見、優しそうな人なんだけど洗練された強さとオーラ、あと殺気を服着てるみたいに自然体で纏ってる人に会ったの。空気みたいな感じ。』
ルキ「それはまた…シキが喜びそうな感じの人だね。」
『…怖い人だと思った。本能的に、彼は危険だって。もしかしたら、あの日の事と関連があるかも…。』
ルキ「…こちらでも調べてみる。特徴は?」
『…白銀の髪に、深い青の瞳。全体的に色素が薄かった。多分ハーフか何かだとは思う。日本語で話してたし。黒い服着て、多分服の内側にナイフがあると思う。身長は大体…170cmかな。』
ルキ「分かった。…ボスにも伝えておくよ。」
『…ありがとう。』
ピッ
『…ハァ…。』
ふと、窓の外を見上げる。
満月の夜。
『………。』
コンコン
『はーい?』
隼「俺だ。」
『隼。…どしたの、こんな夜中に。…つか俺、鍵掛けてたけど。』
隼「お前はすぐ引きこもるから、合鍵を作った。」
『お前は彼女か。』
ピコン
『ん…?』
隼「…何だ、それ。」
『裏掲示板。色々情報掴めるんだよね。…何か情報掴めたのかな…。』
ピコン
“こんにちは。”
『…?』
ピコン
“あの日の約束、覚えてる?”
約束…?