男装女子。FIRST SEASON
カチカチ______。
『…んー、よしよし。今日もここの身辺は平和だ~。』
この街にあるあらゆる防犯カメラをジャックして様子を見る。
『相変わらずタバコとか吸って…不良多いなこの街は。』
いや寮に住んでる隼たちとか、ここの生徒とかも不良なんだけど。
『ギリタバコと酒は許す。クスリとか暴漢となやってたら即情報垂れ流そう。』
もちろん《牙狼》と《クラウン》の人。
『…だけど…そうだな、ちょっと足りないや。』
公園とかコンビニとか、表立つところにはあるけど、路地裏とかには全然無い。
ちょっとつけてこよ。
ガラッ
窓の扉を開けて人がいないか確認。
腰にミニバッグをつける。中には超超小型の防犯カメラ。縦横高さは約1cm。
絶対に誰にも見つからない。
作ったのは私の知り合い。。さっすがだわ。
『よ…っと。』
バレないように、静かにバルコニーに出る。そんでお隣の…出雲のバルコニーへ飛び乗る。
…よし。あとはそこの非常階段を使って降りる。…大丈夫、いざとなればパラシュートがある。
どんどん階段で降りていく。最上階から三階まで一気に降りると、そこからはもう、飛ぶ。
幸い私の体は頑丈だから、飛び降りれば大丈夫。怪我なんてしない。
ストンッ
『よし。夜ご飯作る前には帰らないと。』
駆け足で、急いで取り付けていこう。
『…ふぅ…あとどこだっけ。』
最新型携帯で位置を確認する。
やっぱり路地裏にいる奴はとんでもないな。すぐ絡んでくる。今日一日で何人倒したか…。
そんで取り付けなきゃいけないし。…まあガスバーナーでちょこっと燃やして埋め込んだり、普通に超強力な両面テープで貼って置いたりとかなんだけど。人にバレたらたまんないから、テキトーにポイって置く。
『…時間ヤバいな。今日はご飯作れなさそう。まあ鍵閉めてるし、部屋に入ってこれんだろう。大丈夫、ご飯前に帰ればなんとか…。』
「最近ヤバくねェ?」
「それな、超ヤバい。」
明らかに不良な何人かが歩きながら話していた。
「なんつーか、ここ一帯ほぼ《牙狼》と《クラウン》の配下だよなァ。」
「単純にアイツら強ェんだけどよォ。俺的にはあっちの方がイイ。」
「ああ、なんか人探してるっつーとこ?」
「そうそう。」
『…人探し…ねぇ。』