男装女子。FIRST SEASON
出雲「…あんまりみんなを心配させちゃダメだよ。」
『分かってるー。』
出雲「…はい、コーレ。」
『何このモコ。ヤバい…!可愛い…!』
出雲「裕翔の夏用パジャマ☆だって。」
『…可愛いやつ着てるな裕翔って(笑)』
出雲「これ着て。もうすぐ夏だから暑いかもしれないけど、まだ夜は寒いからね。」
『…オレンジの(笑)モコ(笑)ウケる(笑)』
出雲「裕翔に怒られるよ?」
『大丈夫。心の中で笑ってるから(笑)…で?』
出雲「ん?」
微笑みの王子よ。
『出てけー。』
出雲「えー?君は今男の子だから別に見られても大丈夫だよねー?」
『…出てけェェェェェェェェ!!!!』
ガンッ
とりあえず殴る。
出雲「痛い痛い。」
『全然痛くなさそう!!…もう…“私”は着替えるから出ていってください。』
出雲「よし。認めたね。じゃ、男の僕は大人しく出てくよ。あ、着替えたらリビングに来てね。」
『…はーい。』
出雲「うん。素直でよろしい。」
出雲はその大きな手で私の頭を撫でる。
しばらくわしゃわしゃされた後、出ていった。
『…ハァ…バレちゃったなぁ…。』
髪の毛は切ってるし、顔もカワイイ系じゃない。自分で言ってアレだけど、割と中性的な顔だと思う。
『…あの人はイマイチよくわからん。…よし、着替えた。』
裕翔の夏用モコモコパジャマに着替えた私が次にやること。…それは…。
自分の部屋に行くこと☆
『はっはっはー。このわた…ゴホンッ俺が大人しく言うこと聞くと思ってるのかー!』
まあ多分思ってないとは思うんだけど。
『あの時…確か自分の部屋のバルコニーに行ったハズだけど…ここは多分出雲の部屋。…無駄に豪華なの何でだろう。』
貴族かなんかが泊まりそうな部屋。何この赤い絨毯。何このキングサイズのベッド。
ガチャッ
寝室から出ると…煌びやかな装飾が施された部屋。
『…金持ち…。』
私の部屋と同じ構造なのになんでこんなに違うんだろう!?