男装女子。FIRST SEASON
『…しばらく出ない方が良さそうかなぁ…あー、隠し扉の前にも埋め込んでおけば良かった。』
隼は多分、言うと思う。みんなにじゃなくても、出雲と壮悟と蓮には、絶対に。
…予備があるな…監視カメラ。
ついでに盗聴器も仕込もうかなぁ…。
『とりあえずもう一個の隠し扉から外に出よう。確か…私の寝室に続いてるハズ。』
ドカッ
足で蹴って扉を開ける。
『…ギリギリ入るか。』
バタンッ
『うおぉ…痛い。怪我人の私にはキツい仕事だ…。』
ちゃんと自分の寝室に出れた。
よし、ここからだ。
はたまたもう1回。静かーに外に出る。
カチャ…
よし、自分の部屋には誰もいない。急いでドリルで開けて埋め込もう。
そのための…じゃじゃーん。
ミニ絵画ー。これを隠し扉の横に掛けて、淵にカメラを固定。
バレないようにちゃんと塗ったものを用意。
ドリルで壁をちょっと空けて棒かなんかをその穴に突っ込んで絵画を掛ける。
『…私の部屋は殺風景だったからな~、これが丁度いいでしょ☆』
ただし、私はあくまでも怪我をしている。左手捻挫している。
重労働だ。しかもさっきから体が重い。熱いし、多分風邪引いてる。
『まあ寝てれば何とか☆』
「風邪は寝てても引かないよ。ウサギちゃん。」
ガンッ
『ッう……。』
容赦なく横から腹パンしてきたぁ…ッ…
私はまた、気絶した。