男装女子。FIRST SEASON
ギィィィ______
ドアを開くと、溢れんばかりの…
『…写真?』
が飾ってあった。
『…ッ凄…!』
色んな写真が貼ってあった。風景写真も、人物写真も、たくさんの、写真。
『うおおおミニ出雲とミニ隼が…!』
こんときから仏頂面の隼と微笑みの王子出雲が出てるなんて…
『てことはアレだな、彰さんがきっと昔は仏頂面だったんだな。』
…って思ったら全然違かった。
『…どっちもめちゃめちゃ笑ってるわ。仏頂面じゃなかったわ…。』
黒髪の男女二人と隼の親子写真。
『…隼だけ仏頂面かい。てか美形とか滅びろ。…あ、みんなの写真だ。』
《牙狼》と《クラウン》の写真。
…去年とかかな。相変わらず身長が変わらない裕翔と零。
他にも、ツーショット写真やみんなの青春の顔がたくさん写ってる。
『…たくさん…あるなぁ…。』
…私も、この輪の中に入れているのだろうか…。
なんて、思ったり。すると一枚の写真が目に入った。
『……隼…?…にしてはなんか雰囲気違うような。』
…あ、これ彰さんの若かりし頃…!てことは蘭さんか…お隣は。
『…これは大和くん…てことは隣は桜ちゃんか…可愛いな~。』
…若いなぁ…凄い…。
自然と、隣の写真に目が入った。
『…ッ…これ……は…。』
ドクンッ
ドクンッ
ドクンッ
『…父さん…母さん…ッ…』
…そ、そうだ。忘れてた。大和くんと桜ちゃんはお友達だったんだっけ…。
『……は…ッ…』
…懐かしい、私の父さんと母さん。
その周りには、たくさんの人。
『………。』
…しばらく、離れられなかった。