男装女子。FIRST SEASON
隼「…大丈夫か、羽咲。」
出雲「…落ち着いた?」
『…ッ…う……吐…く…。』
隼「!…ちょっと我慢しろ。」
出雲は私の隣で背中をさすって、隼は部屋のゴミ箱を持って、ベッドに座ってる私の隣に来た。
『う……うえええぇぇぇ…。』
私は盛大に吐いた。
隼「……。」
出雲「……。」
『ごめ…隼…出雲…ごめん…。』
隼は頭を撫でてくれた。出雲は優しく背中をさすってくれた。
『…う……。』
ごめん…ごめんね…。
ずっと心の中で繰り返した。
『…は…もう…大丈夫。』
隼「……水。」
出雲「少し冷えてるけど…そのくらいが丁度いいと思うよ。」
『…ありがとう。二人とも…。』
隼「…辛いなら辛いって言え。」
『え…。』
隼「…泣きたいなら泣け。寂しいなら寂しいと言え。…その小さい体で溜め込むな。いい加減、俺たちを頼れ。」
『…ごめん…。』
出雲「…羽咲。謝らないで。君が謝るようなことは一つもしていないんだから。」
『…隼と出雲は…なんでここに…?』
隼「…様子を見に来た。」
出雲「そう。二人でね。」
『え。』
隼「…最近寝れてないだろ、お前。みんなも心配している。」
『…ごめん。』
出雲「…背負わなくていいモノはたくさんあるんだよ。辛い時は必ず僕らにいう。助けて欲しい時は僕らに頼って。」
『…ごめんね。』
隼「…ごめんは聞き飽きたな。」
『…ありがと…。』
出雲「よし!じゃあ今から一緒に寝よっか☆」
『「えっ」』
出雲が私のベッドの中に入って来た。
『…イヤちょっと待て。待て待て待て。おかしいぞこれは。』
隼「俺もそれはおかしいと思う。」
出雲「え~?…何?隼は一緒に寝ないって?んじゃあ僕と羽咲の二人っきりで寝るから~♪」
隼「ダメだ。」
出雲「…じゃあ?」
隼「…コクリ。」
『ちょっと!?何解決しちゃってるのかな!?』
隼「…羽咲は目を離すとすぐに消えてどこかに行く。…だったら俺が見張っておけば大丈夫だろう。」
『…隼…さん…?』
出雲「そうだよね隼!!その通りだよ隼!!」
『…単に出雲は隼と一緒に寝る口実なのではないだろうか…。』
「羽咲。」
「羽咲?」
隼と出雲の暖かい声が私の体に染み渡る。
『ッ何…。』
隼「…おやすみ?」
出雲「おやすみなさい♪」
『…っおやすみなさいぃ…。』
負けた。
でもその後、怖い夢は見なかった。
両側に最強の王様がついてくれてるから…かな。
久しぶりにぐっすり寝れた。