ルーンの姫君《連載》
街の向こうには畑や森が広がり、はるか遠くには白い鳥が空高く飛んでいる。

あの鳥のように羽があればこの空を飛んでゆけるのに。

私は籠の鳥でも羽なし鳥ね。





気がつくと遠くに見えていた白い鳥がどんどんこちらへ近づいてきた。

近づくにつれその姿はどんどん大きくなり、しまいには馬よりも大きい怪鳥の姿となり部屋の中へ飛び込んだ。

私は驚き這ってドアまで行き助けを呼ぶが、ドアは堅く閉じたままぴくりとも動かず、誰も駆けつける様子もない。

恐怖に震える私の前で、鳥は一人の男に姿を変えた。
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