ルーンの姫君《連載》
「はぁっ」

知らず知らずのうちに甘い吐息と共に声が洩れ、私は唇を噛んだ。


なんなの、これは?


だが、こらえようとするのに、湯がやわやわと身体にまとわりついてくる。


「ゼ、ゼル様、なにか変ですの」

「何が変なのですか?」

「この湯のせいか身体がなんだか熱くて」

「この湯は薬湯。きっと身体に効いているのであろう。怪我の為に少し我慢してはどうかね」



そう諭されると返す言葉もなく、じっと湯に身を任せてみることにした。

身体の力を抜くと、ぬらぬらとした湯は次第に堅さを増してきたように感じる。
そして湯に浸かった部分はもちろん、上にでている上半身にも、濡れたドレスの下で肌を湯の触手が這い回ってくるようだ。


きゅっと噛み締めていた口元がこらえきれずに半開きになり、荒い息をつきはじめた。
全身を湯になぶられていく初めての感触にどうしていいかも分からず、ただ刺激を受け止め続ける。
既に、濡れたドレスすら湯の中で揺れる度に身体をこすっていく。

そこまでくると、息に混じって甘い声まで一緒に漏れはじめた。
屈辱的な姿を男の前に晒しているというのに、そのことを考えるとからだの火照りが強まってしまう。
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