ルーンの姫君《連載》
1.籠の鳥

謁見

私は、カロリア国王アルフリード8世と、下級貴族の娘である母との間に生まれた。

母はとても美しいが、身体が弱い人だったそうだ。
だから、私をこの世に産み落とすと同時に主の許へと召された。

母には既に両親もなく、後ろ盾のなかった私は乳飲み子のうちに、母の侍女であったミアンに連れられて国境近くのシザーレ修道院に預けられた。


そして国王の命により成人の年、18の歳まで修道院の外へは一歩も出ることは罷(まか)りならない暮らしを送ってきた。


修道女として黒い衣しか着る事を許されず、質素な食事、そして日々神への奉仕に務める。

他の修道女の憩いの時間には教育係がつき、淑女としての厳しい躾と教育を受けた。




そんな厳格な生活しか知らずに育った。


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