ルーンの姫君《連載》
私は乾いた床に横たわり、荒い息をついた。


ぐっしょりと湯を含んだドレスは重く、湯の中にいるのとかわらない刺激をまだ与え続ける。

私の身体は信じられないくらいに敏感になり、ゼルが動く時に起こすかすかな風ですらたまらない刺激となり甘い声をあげた。




「すっかり湯にまみれてしまいましたな」

自分でしたくせに。
心の中でつぶやきながらも、代わりに気になることを尋ねた。



「いったい、この薬湯はなんなのですの?」


「もともとこの宮殿がたつ前は、古の神殿があったのですよ。
その神殿の奥には不思議な泉が湧き出し、その泉の水を塗るとどんな怪我や疲れも癒されます。
ほら、姫の足はもうあまり痛まないのでは?」


「そういえば、ほんとですわ。
空を飛んで冷えて疲れた身体も楽になって。
これは神が与えられた奇跡ですのね」

「さあ、それが神のしわざかどうかはわかりませんよ。塗るだけでなくこの中に浸かったり、体内に入るとほら、この通り」


突然、ゼルは濡れるのも構わず、私の背に腕をまわし抱き寄せた。
そして、びくっと身体を震わし、わななく唇にそっと口づけた。



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