ルーンの姫君《連載》
私はその場で凍りついた。
待ち望んでいた暖かい父娘の名乗りをする為ではない。
娘として、姫として迎える為でもない。
国の捨て駒として、敵国への人質として利用する為に今まで育てられてきたのだ。
「恐れながら、陛下、いえ父上...」
私はあなたの血を継いだ娘です。
すがるように王に声をかけようとすると、王は煩わしそうに手を払うように動かした。
すると、たちまち兵士が私の両腕をつかむと乱暴に押さえつけた。
「父上、なぜ...」
結局一度も父王に名前を呼ばれることもなく、今日から嫁ぐ日まで城の塔で過ごすよう命じられ、私は王の御前から追い払われた。
待ち望んでいた暖かい父娘の名乗りをする為ではない。
娘として、姫として迎える為でもない。
国の捨て駒として、敵国への人質として利用する為に今まで育てられてきたのだ。
「恐れながら、陛下、いえ父上...」
私はあなたの血を継いだ娘です。
すがるように王に声をかけようとすると、王は煩わしそうに手を払うように動かした。
すると、たちまち兵士が私の両腕をつかむと乱暴に押さえつけた。
「父上、なぜ...」
結局一度も父王に名前を呼ばれることもなく、今日から嫁ぐ日まで城の塔で過ごすよう命じられ、私は王の御前から追い払われた。