ルーンの姫君《連載》

白い鳥

謁見の間から連れ出された私は、甲冑で身を固めた兵士達に連れられ、失意のまま痛む足をひきずっていた。


気が遠くなるほど長い螺旋の階段を昇り、一番上の部屋に通された。

中に押し込まれると、厚いドアが閉まり重々しい鍵が降りる音がした。

石造りの室内は、飾り気ひとつない簡素な家具だけが並ぶ。

世話をする者もおらず、ただ一人部屋に残された私は、ひとまず靴を脱ぎ広い窓辺に腰掛けた。


床石の冷たさが熱っぽい足に心地よく痛みもやわらぐ。

追い立てられるように昇る長い階段の途中で更に足首を痛めてしまったのだ。

金色の枷が与えた痛みは、しばらく一歩も歩けそうにないくらいにひどかった。
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